住んでいる家にバリアフリー工事を施す方は少なくはありません。
段差があったり、ドアが開き戸であるなど、家の中には若いうちには気づかなくても、
高齢者になると暮らしにくいと思ってしまう箇所がたくさんあるのです。
ここでは、そんなバリアフリー工事の中でも、手すりの取り付け工事・設置について、
知っておきたい基礎知識をご紹介していきたいと思います。
手すりの取り付け工事・設置の必要性
バリアフリー工事の一環として、手すりを取り付けるという話は
よく耳にする方も多いかと思いますが、まずはその実際の必要性についてご紹介しましょう。
例えば手すりの設置場所として、廊下や階段を挙げる方は少なくはないかと思います。
廊下はともかく、階段は足腰が悪くなってしまうと上り下りがつらいものとなっていきます。
しかし階段を使用しなければ、上の階へはいけませんし、家の作りを見なおして
リフォームするとなると高額な費用がかかってしまうことにもなります。
そのような時に役立つのが手すりの設置工事です。
手すりがあるかないかで、階段の上り下りの負担は
減りますし、転倒などの危険性も減ります。
例えば浴室などは、事故が起こりやすい場所でもあるため、
しっかりと手すりを設置しておく必要があります。
手すりがあるだけで、普段の立ち回りが楽になり、
日常生活で暮らしやすくもなります。
手すり設置工事・取り付けにおいての基礎知識をご紹介
高齢者がいらっしゃるご家庭では、手すりの
設置・取り付けが必要となることが多くみられますが、
手すりは手あたり次第にどこにでも設置すれば良いというわけではありません。
手すり設置・取り付けの際は、知っておくべき基礎知識があります。
ここでは、手すりの位置についてご紹介します。
廊下に手すりを設置する場合
まずは、歩く際に体を支える必要のある廊下についてですが、
手すりの位置としては腕青まっすぐ下した際の手首の位置が適切とされています。
もしくは、大腿骨大転子と呼ばれる、股関節の横当たりの
骨の位置に合わせても良いといわれています。
この位置は、もちろんその人の身体機能や伸長によっても
変動してきますが、大体は70cm~80cmが目安となります。
階段に手すりを設置する場合
階段は、段差によって自分の位置も変わってきますので、
段差に合わせて設置位置を決める必要があります。
そもそも階段には、角となっている部分である「段鼻」と
私たちが踏む場所である「踏面」という部分があります。
階段の斜めの場所に手すりを設置する際は、垂直に設置するわけにもい かないので、
段鼻と踏面からで位置を変える必要があるのです。
また、階段に手すりを設置する場合は、特に慎重に位置を確認する必要があります。
例えば手すりを高く設置しすぎてしまうと、背中が丸まってしまったいる高齢者の方は
特にのけぞりながら階段を上ることになりますので、後方に転倒する恐れがあります。
日常生活で不便なだけでなく、危うく事故にもなりかねないことですので、注意しましょう。
トイレに手すりを設置する場合
トイレは、動作の立ち回りをスムーズにするために手すりの設置が必要な場所でもあります。
また、他の場所と違ってトイレに手すりを設置する場合は、
便器に座った状態から立ち上がる動作の際に必要となる手すりの位置を確認する必要があります。
トイレでは、横に縦やL字の手すりを設置するならば座面から20cm~30cmほどの高さに、
正面に横の手すりを設置するならば40cmほどスペースを開けて設置する必要があります。
ちなみに縦やL字の手すりを設置する場合は、便器から手すりがある程度
遠いことでスムーズに立ち上がることができます。
反対に近すぎてしまうと、立ち上がる際に力が必要となってしまうので、注意しましょう。
まとめ
住み慣れた家をより住みやすくするために、
バリアフリー工事は必要なります。
その中でも、手すりの取り付け工事はご自身での施工も可能な工事でもありますので、
できるうちに検討しておくことをお勧めします。
ぜひ参考にしてみてください。